雨樋について!
今日は朝から雨が降っています。少し前までは、ずっと晴れていたのですが、
いきなり雨の日が続くようになってきました。今日はそんな雨に対して重要な役割を果たしている、
「雨樋」についてお話させていただきます。今年も残すところ一ヵ月半程になってきましたが、
皆さんは雨樋のお手入れなどはおすみでしょうか?もしおすみでないのでなく、
何か気になることがあれば、今回の記事をお役に立てていただけると幸いです。
まず初めに雨樋とはどのようなものであるかをご説明します。雨樋とは、屋根を流れる雨水を、
地上もしくは下水に導くための設備のことを指しています。この雨樋についての歴史について、
残された文献というのはほとんどないと言われています。今現在残っている最古のものは、
東大寺三月堂のものといわれているそうです。この雨樋が一般的に普及しだしたのは、
江戸時代の享保の頃といわれており、その頃は防火のために、建物の部材保護を目的として扱われ、
素材は主に木や竹をしようしていました。明治時代になると、素材にトタンやブリキを、
使用することが多くなり、戦後以降からは高度成長期にはプラスチック製のものが普及されるようになり、
形状や大きさなども様々な種類が増えてきました。そこで今現在では、どういった種類や形状のものがあるのかを、
ご紹介させていただきます。
雨樋の種類は3種類あり、「軒樋」・「縦樋」・「箱樋」といったものがあります。軒樋は、
屋根を伝って流れてくる雨を集めて流す役割を持っています。次に縦樋が軒樋から集まって流れてきた雨水を、
地面や下水に流すといった働きをします。箱樋は軒樋と同じ役割を持っており、見た目が軒樋とは違って、
角ばった箱の様な形になっています。次に雨樋の形状についてです。雨樋の形状も種類と同様、
3つに分けられ、1つ目が溝型で、この溝型にもいくつか種類があり、世間一般的に使われている、
U型のものや、先ほど上記でも紹介しました箱型のもの、他にもV型のものもあります。
2つ目は管型のもので、これは主に縦樋の形状として扱われています。最後に鎖型といったものがあります。
これは役割としては縦樋と同じ役割をもっていますが、二階の軒樋が集めて流してくる雨水を、
地上に流すことは困難であります。なぜかというと、管型の縦樋のような雨水を漏らすことなく、
地上に流すものとは違い、鎖型は鎖に雨水を伝わせるものなので、どうしても雨漏りの危険性が高くなってしまいます。
そのためこの鎖型の形状のものは、1階の屋根から地上に流すために扱われています。
次に雨樋の構造についてご説明します。雨樋は基本的に軒先に鉄製やステンレス製でのもので出来ている、
金物を固定しそれに取り付けるようになっています。流れてくる雨水が集中する箇所には、じょうごというものが、
取り付けられており、そのじょうごから縦樋に根がれるような仕組みになっています。軒樋の端の方には、
雨水が外に逃げないように樋止め(とまり)というものがつけられています。そして樋のつなぎ目には、
軒樋の場合は『軒継ぎ」、縦樋場合は、「縦継ぎ」や「エルボ」といったものが取り付けられています。
雨樋を取り付ける際にはいくつかの注意するポイントがあります。このポイントを皆様にも知っていただくことで、
雨樋の異変に早急に気付くことができ、雨樋から起こりうる雨漏れなどを、未然に防ぐことが出来ると思われます。
まず初めのポイントとしては、雨樋の勾配(傾斜)がきちんと正しくとられているかという点です。雨水は基本的に、
地上に流れるために、じょうごの場所の方へ流れなくてはいけません。つまりじょうごの方に向かって、
勾配が低くなってなければいけないのです。もしこの勾配が正しくとれていなければ、雨水が樋の中で溜まってしまい、
こぼれ落ちたりしています。そぉなると今度はこぼれ落ちた場所の瓦が痛み、雨漏れを起こしてしまうのです。
このことから、雨樋を取り付ける際に勾配を正しくとることは、最も重要なポイントといえます。次に屋根から、
流れてくる雨水がしっかりと樋に入っているかという点です。これは最初に金物を固定する際に、
軒先の瓦に対して、適度な距離がとれているかが重要となってきます。もし金物を固定する際にこの距離を、
曖昧にしてしまうと、雨樋が雨水を受け止められずにそのまま下に流れ落ちてしまいます。これもまた、
雨漏れにつながる1つの原因となるでしょう。他には、縦樋をつなぎ合わせる際に、上から下に被せるように、
つなぎ合わせるのではなく、下から上に被せるようにつなぎ合わせるようにしなければなりません。
このようにすることによって、つなぎ目から雨水が漏れることを防ぐことが出来ます。雨樋を取り付ける際は、
これら上記のポイントに注意しながら取り付けることが大切です。
最後に皆様の住まわれているお家の雨どいは大丈夫でしょうか?雨の日に雨水が樋からこぼれていたりはしていませんか?
もしかすると樋にゴミが詰まっていたり、樋に溜まってしまったゴミなどのせいで樋の勾配が変わってきているかもしれません。
今は大丈夫でも後々、雨漏りにつながる原因になりかねませんので、これからは注意深く見るようにしてください。そして、
何かあってから対処するのではなく、何か起こる前に未然に防ぐことを心がけましょう。